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苦しめられる下請け業者

わずか数年前には七〇〇〇万円、八〇〇〇万円という億ションに手が届くのではないかといわれたマンション群の隣に、いまは限りなく四〇〇〇万円に近い三〇〇〇万円台のマンションが建ち並ぶ不思議である。外観がそれほど違っているわけではない。どうしてこんなに安いマンションが建てられるのか。もちろん土地価格の下落が占める割合は大きいだろうが、それだけではないはずで、つまりここにはちょっとしたカラクリがあるからである。私は、資本金数千万円の、ありふれた中堅建設会社のサラリーマンである。主として設計畑を歩いてきたが、数年前からこれまでの技術と知識を生かして営業畑を担当するようになった。結論から言うと、ここ一、二年で大手建設会社の下請けとして私の会社が竣工したマンションの七割は三〇〇〇万円台である。そして、その四割ちかくは三〇〇〇万円台の価格設定が無理な代物だった。できれば数百万円ほどコストアップして四〇〇〇万円台で売ってもらえたら、と何度も思ったことがある。たしかに地価も建設費も大幅に下落している。バブル期には坪一〇〇万円といわれた建設費も、いまでは五〇万円か六〇万円あたりが普通だ。しかし、それでも限度というものがある。三〇〇〇万円台で売るのが無理なマンションでも、無理やり三〇〇〇万円台に引き下げて売っているというのが現状なのである。